道新連載⑤

北海道新聞連載記事です。
北海道新聞 平成22年6月24日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ⑤「トマト」
 6月に入って以来、札幌では毎週末、好天が続き、快適な菜園日和を迎えています。雨の多かった昨年とは大違いで、週末ファーマーにとっては農作業も順調にはかどり、うれしいことです。僕たちの有機農園でも、仲間たちが野菜の苗植え作業を楽しんでいます。
 僕はというと、果菜類の苗の定植作業を進めています。4月から家の中で苗作りを始め、5月には外のベランダガーデンまでも占領していたトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、ズッキーニなどの苗が中心です。
 ナス以外の野菜は、自然農法やオーガニック栽培の種を買い集めたもの。昨年は室内だけで苗を育てたためか、ヒョロヒョロの苗になってしまいました。そのため今年は、外で小さな簡易ビニール温室を使い、ミミズコンポストの液肥を時々与えて栽培してみると、トマトの苗などしっかり育ってくれました。
 今年のトマト栽培は、木枠で囲った植え床を2本使い、混植の実験に挑戦します。トマトと相性が良いとされる野菜やハーブはたくさんありますが、果たして「何が最も相性が良いのか」「どの組み合わせだとおいしくなるのか」を試してみることにしたのです。
 栽培するトマトの種類は、種から苗作りした大玉トマトが1種類とミニトマトが2種類、調理用のイタリアントマトが1種類の合計4種類。それに、苗を作っている農家から頂いたトマトが数種類加わりました。
 1本の植え床には、トマトと一緒に、ユリ科のネギ類を数種類と、ニンニク、長ネギ、チャイブなどを混植しました。そして、もう1本には、イタリアンパセリ、レモンバーム、バジルなどのハーブとの混植です。ネギ対ハーブ。さて、どちらの混植が、元気でおいしいトマトを育てることになるでしょうか。収穫の時が、今から楽しみです。
 昨年のトマト栽培は、日照不足のせいか、成果はいまひとつで、保存用のトマトもあまり作れませんでした。しかし、豊作だった一昨年は、イタリアントマトは煮込んでトマトソースを作り、ミニトマトはレンジで乾燥させた、セミドライトマトにしてみました。おかげで、冬の間も自家製トマトのパスタやミネストローネをたくさん作り、春先まで楽しむことができました。
 夏の間はフレッシュな野菜を、冬は保存した野菜を味わう。同じトマトを食べていても、季節を感じて、冬には冬の野菜の味わいがあるのだ、と改めて気づかされます。
 このように、トマト栽培は、収穫後の楽しみも盛りだくさんです。今後も、天候に恵まれて、保存用のトマトがたくさん収穫できれば、と思っています。
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トマトと混植したワケギ
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ねぎVSハーブ!!
どちらの混植がトマトを美味しく育てるか楽しみ!