道新連載⑥
北海道新聞連載記事です。
北海道新聞 平成22年7月8日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ⑥「イチゴとニンニク」
札幌・丘珠にある僕の畑では、葉物野菜を中心に収穫が始まっています。これからが、自家製有機野菜が並ぶ、豊かな食卓の始まりでもあります。
たくさん作り過ぎた野菜があると、時には罰ゲームのように、大量の野菜を食べなければなりません。僕の菜園ノートには、昨年の反省が書かれていて「種は少しずつ、時期をずらしてまく」とあります。それなのに、ついつい作り過ぎてしまい、また反省です。
先日は、ニンニクの芽とイチゴの収穫を楽しみました。ニンニクを作り始めて、今年で3年目になります。後志管内余市町の有機農家さんから分けていただいたニンニクの種を受け継ぎ、自家採種の無農薬栽培で、ほぼ1年分の量を作ります。
ニンニクは、連作の障害も無く栽培できるので、夏の収穫が終わり、秋の種の植え付け作業の際には、同じ苗床を使い、側にイチゴを移植しています。成長したニンニクの芽を摘む時期と、イチゴの収穫がちょうど重なり、除草と追肥をしながら収穫が出来るので、作業効率が良いようです。
イチゴは、昨年植えたイチゴ苗が増え、春先数カ所に移植したものですが、順調に育ってくれました。イチゴ専用畑には、チャイブやワケギをコンパニオンプランツ(共存植物)として一緒に植えています。苗の周りには木炭を敷き、ワラのマルチをしてありますが、すき間からでてくる雑草を取りつつ、イチゴの収穫をするといった、得意の「ズボラ菜園」を実践中です。
イチゴと混植したニンニクやネギ類の根から出る成分が、イチゴの病気を抑える効果があり、また、臭いを嫌う害虫の防止にもなるようです。
性格も使い方も違う作物が、夫婦のように助け合って、畑の環境を整えているのは、とても面白いことです。作物の混植の組み合わせには、このような作業性を考慮することも、大切なのだと気付かされますが、僕が習得するには、まだまだ時間がかかりそうです。
昨年収穫したニンニクは、冷暗室で保存していても、春になると芽が出てしまいます。食べられなくなったニンニクは、トマトなど他の作物のコンパニオンプランツとして、脇などに植えたりして使っていますが、今年は来春に向けて良い保存法を勉強しようと思います。
今年のように暑い日が続くと、ニンニクの芽を食べて元気をもらい、菜園作業もがんばりたいです。また、無農薬有機栽培で育ち、安心でしっかりしたイチゴの味は、格別ですね。来年は、さらに子苗をふやして、保存用のジャム作りにも挑戦したいと思っています。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
チャイブやワケギと一緒に移植したイチゴ畑。
ディルやポリジなど自生したハーブも混色しています。
ニンニク(奥の丈の高い葉)の苗床に植えたイチゴです。