道新連載⑦
北海道新聞連載記事です。
北海道新聞 平成22年7月22日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ⑦「ポリジとコンフリー」
雨の日が続くと、作物と一緒に雑草たちもぐんぐん成長します。そんな雑草たちにまぎれて、僕の畑のあちらこちらで繁殖している植物が、いくつかあります。こぼれ種から勝手によく育つ、一年草のハーブたち。白い花のジャーマンカモミール、紫色の花のポリジ、黄色い花のディル。どのハーブも野菜との相性が良いので、僕の畑では自生のままにしたり、移植したり、時には種を取ってまいたりして、いたる所で花を咲かせます。
そんな一年草のハーブの中でも、特にものすごい繁殖力を発揮するのが、ムラサキ科のポリジです。星形でかれんな紫色の花びらには、いつもハチが群れていて、「受粉昆虫を呼び寄せるため、実のなる作物のそばに植えておくと良い」と言われているコンパニオンプランツ(共栄植物)の仲間です。
僕の畑では、イチゴ、トマト、ナス、ピーマン、ズッキーニ、ジャガイモなどのそばで、花を咲かせています。このポリジは、全身に毛が生えてイガイガしているのに、食べることが出来ます。
僕は、春に若葉を天ぷらにして食べました。肉厚の葉は、香ばしい味わいで、なかなか美味。また、薬草としても効果があるといわれていますが、カルシウムやカリウムといったミネラル分を多く含むため、緑肥としての効果も期待できそうです。大きく育った順に収穫し、土や米ぬかと一緒に積み上げ発酵させ、ボカシ肥料作りに挑戦しようと思っています。
そして、最も楽しみにしているのが、同じムラサキ科で多年草のコンフリーです。野草化し、道内でもいたる所で自生しています。春先からみるみる成長し、つり鐘状に咲く紫の花には、ポリジと同じようにハチが群れています。
このハーブもミネラル分がとても多く、緑肥や液体肥料として利用できます。僕は有機液肥を作るため、昨年から育て始めました。7月初旬、花が終わったコンフリーを収穫。大ざっぱに刻み、樽に詰めこんで、水を注ぎ、れんがで重しをして漬け込みました。待ちに待った初仕込みです。
1週間ほどすると、繊維が溶け出し、水が茶色くなり始め、これが真っ黒になると、有機液体肥料の完成です。出来上がった液肥は、水で薄めて、作物の水やりと一緒に利用し、野菜たちのミネラル補給になります。
根を残して刈り取ったコンフリーの株からは、すぐに新しい葉が伸び始めています。1年に3回ほどは、繰り返し収穫できるといいます。また、株分けをして、簡単に増やすことも出来ます。耐寒性もあり、生育にまったく手がかからないので、僕の有機菜園には欠かせないパートナーになってくれそうです。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
①ジャガイモ畑の中でも負けずに育ち、紫色のかれんな花を咲かせるポリジ
②コンフリーは漬物樽に入れ、れんがで重しをして漬け込む