道新連載⑨

北海道新聞連載記事です。
北海道新聞 平成22年8月26日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ⑨「畑の多様性」
 この夏、僕の畑で最も順調に育っている作物といえば、ナスとピーマンです。雨の好きな野菜だからでしょうか?雨の多い今シーズン一番の元気印です。
 不耕起栽培用の90cm×3mの高ウネの植え床「レイズドベッド」2畝に、10株ほど植えました。と言っても、植えているのはナスだけではありません。まずユリ科のチャイブを、畝の縁取りに移植しました。更にセリ科のパセリ、キク科のカモミール、ムラサキ科のポリジなど多年草や、こぼれ種から自生えしたハーブ類を、畝の両端に移植しました。ピーマンとシシトウも、となりの畝で同様に栽培しています。ナスやピーマンの苗を植え込む頃には、チャイブやカモミールは花を咲かせ始め、更に夏に近づくと、ポリジが花を咲かせるといった具合です。でも「欲ばりな畑」が自慢の僕です。ナスやピーマンの株間に、つるなし種のスナックエンドウの苗を植えました。
成長して、ナスにつるが上手く絡むと良いなと思ったのです。結果は、エンドウの成長が早く、結局竹の支柱をたてる破目になりました。タイミングを計って、種まきをした方が良かったのかもしれませんね。エンドウの収穫が落ち着く頃、ナスの収穫が最盛期となりました。実は、昨シーズンは種まきをして、苗を作り、定植の際には、根の先端を切り込んでから植えるスパルタ栽培に挑戦したのですが、見事に惨敗。そこで、今年は苗を買い、春先にパオパオのトンネルで風と寒さ対策をし、自家製ぼかし肥料の追肥なども怠らないで、育てたところ、豊作となりました。
 ナス科の栽培は4~5年おきに栽培するのが常識で、連作はタブーと言われていますが、来シーズンはあえてナスの連作栽培に挑戦しようかと思っています。相性のよい植物を中心に多様な作物を混植することで、連作障害を緩和できれば、限られた場所の家庭菜園でも毎年楽しむことが出来ると思います。
 建築デザイナーの僕が、目標にしている畑作りのテーマは、住宅街の中でも映える、素敵なキッチンガーデンをつくることなのです。野菜や花が、整然と綺麗に並べられた、かわいらしいキッチンガーデンも良いですが、僕の場合は、多様な植物が、ランダムに咲き乱れる、イングリッシュガーデンのような菜園がイメージです。野菜が主役の菜園に、いつも何処かで花が咲き続けている。ハーブ類を混植することで、コンパニオンプランツ(共栄植物)として作物を害虫から守り、成長を助けるだけではなく、緑に彩りを添える役割もあり、畑がより楽しい場所になること請け合いですよ。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
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チャイブの縁取りとハーブでにぎやかなナス科用の植え床
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ナス科作物(シシトウ)の間に生育を助け合うマメ科作物(エンドウ)を混植
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夏野菜:僕の畑で今元気印の野菜たち