道新連載⑬
北海道新聞連載記事です。
北海道新聞 平成22年10月28日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ⑬「袋栽培の楽しむ」
忙しかった畑作業も、後片付けに追われる季節になりました。収穫できる作物も残り少なくなってきましたね。
僕の畑でも、徐々に片付けを始め、残る野菜は、キャベツ、レタス、白菜、ホウレン草などの葉物野菜、そしてニンジン、ゴボウなどの根菜類となってしまいました。
秋に収穫する予定だったダイコンは、種を蒔きそびれてしまい、もっぱら、仲間のおこぼれに預かっているのですが、これはこれで、いろいろな種類のダイコンを頂けるので、嬉し楽しい気分です。根菜類は収穫後、土に植え込んで、保存します。また、ホウレン草は雪の下で冬を越して、来春一番の収穫野菜になる予定です。
丘珠有機菜園は、水はけが悪く、粘土質の土がガチガチに固くなるので、根菜類の栽培には苦労します。僕は割り切って、収穫しやすいミニサイズのダイコンやゴボウを作っていました。でも、細いゴボウは、掘り起こすのがひと仕事です。そこで今年は、ゴボウの袋栽培に挑戦してみました。
高畝を利用し、堆肥、炭、油粕などを入れて軽く耕起した後、土を入れた不織布の袋を、少し間隔を空けて、高畝に逆さにして並べていきます。そして、袋の底を開いて、ゴボウの種を蒔き、わざと広くした袋と袋の間には、マリーゴールドの苗を植えたのです。
これは、見た目が綺麗なことと、センチュウの被害を防いでくれるコンパニオンプランツ (共栄植物)として、根菜類との相性が良いからです。さらに、高畝の両側の列にカブの種を蒔き、3種の混植栽培にしてみました。
ゴボウの追肥は、草木灰を表土に施肥しただけで、あとは得意のほったらかし状態でした。待ちに待った収穫の日、袋を持ち上げると、崩れた土の中からゴボウが顔を出しました。ちょっと細身のミニゴボウです。初収穫は豚汁。柔らかくてとても美味しいゴボウをいただきました。
袋栽培は、どこでも手軽に、根菜類を栽培出来るところが良いと思います。マンションのベランダやアスファルトの上でも栽培が可能ですし、ダイコンやニンジンのほか、ジャガイモやサツマイモ、長ネギなどの栽培にも便利なようです。来シーズンは、もう少し種類を増やして、栽培してみようと思います。また、袋栽培の他に、古タイヤを積み重ねて利用した栽培法も、同じ効果があります。どちらも資材を再利用して、何度も使え、収穫も楽に出来るところが良いところです。
菜園生活は、ゴミや廃資源を有効利用し、持続可能な暮らしを楽しみながら、実感することも出来る、すてきな暮らしなのです。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
袋の中でごぼうがすくすく。
袋を持ち上げ、ゴボウを収穫。
袋と袋の間に混植したマリーゴールドが美しく咲き誇っています。