道新連載⑮
北海道新聞連載記事です。
北海道新聞 平成22年11月25日生活面掲載
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ⑮「堆肥作り」
楽しかった有機菜園での作業も、まもなく終ろうとしています。僕たちの有機農園の仲間達は、すでに片付けも終わり、冬を迎える準備が出来ているようです。
僕はと言うと、もう一仕事、来シーズンのために、堆肥を積み上げておく作業が残っています。毎年、落ち葉が積もった頃をめがけて、山のわき道や公園の歩道に、集めに行きます。都会では、ゴミ扱いされている落ち葉も、僕にとってはお宝です。
堆肥づくりのための落ち葉集めの注意点は、分解が遅いイチョウやサクラなどの広葉樹や、笹・針葉樹などの葉は避け、ナラ、カエデ、ナナカマドなどを集めるように心がけます。
集めた落ち葉は、大きなビニール袋に詰め込んで、畑に運び込みます。僕の堆肥は、落ち葉に米糠をふりかけ、水をかけて踏みつけて、積み重ねていくだけの簡単なものです。今年は、コンフリーの葉を漬け込んで出来た液肥を、水と一緒にかけてみました。翌年、うまく分解が進み、パラパラと軽い堆肥が出来上がったときには、山の土はこうして出来ているのだと、うれしくなります。今年は、昨年積んだ堆肥を、移植したイチゴの植え床や、不耕起用の植え床に蒔き、藁や片付けた草をかけて冬を越します。水はけが悪く、すぐに硬くなってしまう僕の畑では、こうすることで、土が固くならず、翌年の春、畑仕事が楽しく進んでいきます。
また、来シーズンに向けて、余市の養鶏農家さんから、鶏糞を分けてもらいに行きました。安全な自家製飼料を食べ、平飼で育つ元気な鶏の鶏舎から、鶏糞をスコップですくい集めます。来シーズンは、鶏糞を上手く使った堆肥づくりにも、挑戦したいと思います。
僕達が出来る、循環する暮らしの原点は、街で暮らす人々が、消費するだけの生活から、生産する暮らしを始めることだと思います。ゴミと思われている資源を有効に使い、肥料や堆肥に変え、自家製の野菜や果樹を育て、食べた残葉はまた資源に変わる。単純なことですが、一番身近な暮らしの中にこそ、様々な環境問題を、リアルに感じさせる時間があるように思えます。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
お知らせ
12月4日(土)午後1時30分から札幌東区で西條さんの菜園生活講座「心地よい暮らしと住い」があります。僕の有機菜園生活と自然派住宅づくりを始めた話を中心に、肌に優しいナチュラル蜜蝋クリームづくりのワークショップを企画しました。
参加費¥1000 (みつばちクリームキット付き) 定員15名
お問い合わせは ビオプラス西條デザイン TEL011-774-8599までどうぞ
集めてきたミズナラの落ち葉を踏みつけながら積み上げ、土をかけた後、ビニールシートで覆い養成します。
鶏舎の床から鶏ふんをすくい集めます。